法人が行う準自己破産は普通の自己破産とは異なる

自己破産

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個人の消費者が自己破産を行う際には、その申立を弁護士を通して裁判所に行うことが一般的です。実際に自己破産の申請が通ると、借金を背負っていた債務者はその責任を免除されて、今後借金の返済に苦しまなくても済むようになります。個人の自己破産に関しては、それほど難しい点は存在します。個人の自己破産は、あくまでもその個人と金融機関の問題に終始している傾向が強いからです。借金がたまったとしても、その不良債権を処理するのは金融機関の仕事であるため、著しく不当に金融機関が不利にならない限りは自己破産をそのまま通しても社会的に大きな問題は生じないわけです。

法人の破産には制約がつきもの

しかし、法人の場合は異なります。法人は多分に社会的な影響力を有している存在であるため、個人のように一つの手段だけで全ての処理を行うことが難しいケースも想定されます。自己破産の場合も同じで、同じような手続きに見えても複数準備しておくことで様々な状況に対応できるように工夫しているのです。個人の場合には、債務整理という4つの手続きを準備していますが、こうした手続きは実は法人にも存在します。ただし、法人は規模が大きいため様々な制約が存在します。こうした制約が存在するケースで法人が債務者となっている場合、その法人の申立人として理事や取締役人が単独で破産手続きを行うことを準自己破産といいます。

準自己破産とは

準自己破産を行う際には、法人の理事や会社の取締役になりますが、これらはあくまでも法人という大きな企業の代わりとして申請をしているにすぎません。そのため、準個人的な位置づけとして申立が行われます。そのままの意味で、法人という大きな債務者に準ずるものとして扱われています。具体的な純債務者の権限を有している人物は、実はそれほど多くはありません。一般社団法人の理事や株式会社の取締役、執行社員などその会社を代表する人物だけということになります。自己破産は会社にとっては大きな選択になりますので、半端な役職の人間にはこうした申立を行う権限が存在しないわけです。

では、これらの申立は法人の破産手続きとどのような違いが存在するのでしょうか。法人の破産手続きというのは、上記でも述べた通り会社にとっては非常に大きな選択になります。そのため、独断で申し立てを行うことは本来なら避けなくてはいけないことです。破産手続きをする時には、取締役会の承認を得たり同意を得ないと申し立てを行うことができないようになっています。しかし、これは会社にとって非常に不利に働いてしまうこともあります。例えば、会社経営が現実的に絶対に継続することができないケースです。このようなケースで、仮に一部の取締役員がその承認決議を拒否してしまった場合には、延々と破産手続きを行うことができなくなってしまうため、より多くの人達を犠牲にしてしまう可能性が出てきてしまいます。

反対に、準自己破産に関してはこうした承認決議が原則的に必要になりません。取締役会で全員の承認が得られなかったときなどに利用することができるわけです。それぞれの理事や取締役が単独で申立を行うことができるため、混乱を避けることができるようになります。特に、破産手続きというのはその会社だけの問題ではありません。お金を借りた金融機関や関係各所の動向にも気を遣わなくてはいけません。これは、大きな会社になればなるほどその傾向にあります。例えば、破産手続きをする原因が非合法的な手段による借金の負債であった場合には、刑事事件に発展するケースも十分に考えられます。破産手続きと一言で言っても、借金の免責を行えばすべて解決するわけではありません。準自己破産は、そうした不測の事態ややむを得ない状況を想定して考えられた単独の法律的な手続きなわけです。

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