松戸市で自己破産をする場合の手続きの流れ

自己破産

自己破産とはどのような手続きか

自己破産とは、収入や資産で債務の支払いが不能になった場合に、債務をゼロにする手続きのことをいいます。支払い不能に陥った債務者を借金苦から救い出し、経済的再生を目指すことを目的としています。
自己破産は、後述するように、資産があるかどうかで、「同時廃止」と「管財手続き」の2つに分けることができます。同時廃止は、債務者に目ぼしい財産がない場合に行われる手続きで、自己破産と言えば通常この手続きのことを指します。一方、債務者に一定以上の財産がある場合には管財手続きとなり、裁判所が選任した管財人が手続きに関与してきます。具体的には、管財人が債務者の財産を換金して、債権者全員に配当していくわけです。
自己破産は、管轄裁判所へ破産手続きの申立てをするところから始まります。松戸市に住所がある場合には、千葉地方裁判所松戸支部が管轄裁判所となります。自己破産手続きは、この申立てから免責許可を得るまでが一連の流れとなるので、自己破産の申立ては経済的再生を目指すためのはじめの一歩となるわけです。
なお、自己破産の手続きは自分ですることも可能ですが、弁護士や司法書士などの法律家に依頼するのが一般的です。というのは、自己破産手続きは、複雑で難解な法律関係の書類を作成する必要があるほか、弁護士等に依頼することで債権者の督促をストップさせるというメリットがあるからです。

自己破産の申立てから破産手続き開始決定まで

自己破産の申立てには、「破産手続開始申立書及び免責許可申立書」や「陳述書」、「債権者一覧表」、「資産目録」など資産状況や借入状況を証するために必要な書類を収集・作成しなければなりません。これらの書類は、自己破産の申立ての際に、裁判所に提出します。
自己破産の申立てをすると、申立日から約2週間から1カ月に「破産審尋」が行われます。審尋とは裁判官による面接のことで、借金をした経緯や借金を返済できなくなった事情等が質問されます。
破産審尋後、1週間以内に「破産手続き開始決定」が通知されます。このとき、債務者に資産があるかどうかで「同時廃止」となるか「管財手続き」となるかは前述したとおりです。同時廃止の場合は、その名の通り、破産手続き開始と同時に破産手続きは廃止となります。目ぼしい資産がない以上、これ以上の手続きは不要というわけです。とはいえ、この段階ではまだ借金がゼロになったわけではなく、次の「免責許可」へ進むためのステップを経たに過ぎません。
なお、破産手続き開始決定が通知されると、債務者である申立人は「破産者」となり、破産者となった旨が「官報」に掲載されます。官報は政府の広報誌なので、松戸市だけでなく全国に発行されるわけですが、一般人はまず見る機会はないのであまり気にする必要はありません。

債務がゼロになる「免責許可」手続きの流れ

破産手続き開始決定を経て、いよいよ破産者の債務を免除する「免責許可」手続きへと進むわけですが、その前提として「免責審尋」が行われます。また、債権者に対しては、免責許可の当否に関して意見陳述をする機会が与えられます。
債権者の意見陳述期間経過後、その期間内に意見が提出されていれば当該意見を参考にして、裁判所は、免責を許可するか否かの決定を行います。免責許可の決定が出ると再度、官報に住所と名前が掲載されることになります。官報掲載後、さらに一定期間中に債権者からの不服申し立てがなければ、免責許可が確定します。免責許可が確定することで、破産者は破産者でなくなり(復権といいます)、債務がゼロになり、一連の自己破産の手続きが終了します。ただし、債務がゼロになるとはいっても、税金や不法行為に基づく損害賠償債権、養育費請求権といった「非免責債権」と呼ばれる債権は免責の対象にならないので注意が必要です。これらの債権は免責許可確定後も支払わなければなりません。
以上、自己破産の申立てから免責許可決定まで、松戸市で自己破産の手続きをする場合に必要な期間は、「同時廃止」の場合で3~4カ月程度とされています。

自己破産後の生活はどう変わるのか

これまで自己破産手続きの流れを概説してきましたが、以下では自己破産後の生活がどう変わるのか、言い換えれば、自己破産にはどのようなデメリットがあるのか、についてみていきたいと思います。
自己破産は債務がゼロになるという債務者にとってこの上ないメリットがある反面、その分、副作用が大きいのも事実です。自己破産のデメリットとしては、まず、マイホームや自家用車を手放さなければなりません。これら資産価値のある財産は管財人により換金されて債権者への配当資金に回されます。次に、自己破産により、警備員や損害保険代理店、弁護士など一定の職業に就くことができなくなるといった制限があります。後見人や遺言執行者の職に就くこともできません。ただし、復権すれば資格制限は解除されます。最後に、いわゆるブラックリストに該当することになるので、一定期間(7年~10年)ローンを組んだり、新たにクレジットカードを作ったりすることができません。
もっとも、自己破産により選挙権がはく奪されたり、自己破産したことが戸籍や住民票に掲載されたりすることはありません。

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