生活を送る上で欠かせないもの

自己破産により裁判所から認可されたときにはすべてを失うと思っている人が少なくありません。
しかしながら破産をしたからといって何もかも失うわけではなく、一定の財産はそのまま保有することを許されています。その保有を許される財産すなわち自由財産としては現金100万円までの他に、生活を送る上で欠かせないものたとえば炊飯器や電子レンジなどは食事をする上で欠かせませんし、そもそも換価しようにも評価が高くなくお金に換えることが難しいという側面があります。したがってこうした生活に欠かせないものと考えられるものは、保有をそのまま認められるものです。

自動車も自由財産として認められる場合がある

自動車についてもよほど資産価値がないと認められる場合には、そのまま自由財産として認められることがあります。ただし一定以上の評価があり売却が出来、しかも一定のお金になると考えられるときには競売等により換価されてしまいます。その他にはいわゆる趣味などのもので生活に関係がないものについては差し押さえられる可能性が高まります。銀行預金などはすべてを裁判所に申し出るわけですが、このとき申し出た現金預金のうち100万円を超える部分は没収され、債権者に分配される仕組みです。
生活に欠かせないものであっても財産価値が高いものについては差し押さえられる場合があります。つまりあとでより安価なものへと買い換えればよいものなどです。これはケースバイケースであり財産価値が認められないものなどは、そのまま保有を認められますので、心配をする必要はありません。あくまで生活をする上でそのものが必要不可欠かどうか、また分を超えて高級なものではなければ、問題なく保有が続けられます。

差し押さえられるかどうかはケースバイケース

土地や建物などは原則として差し押さえられます。ただしその不動産類が生活をする上で必要でありしかもその土地や建物を差し押さえても競売による換価が難しいときには、そのまま保有できる場合があります。山奥などでその土地などを売ろうにも売れないような場合があり、この場合はそのまま保有することが認められる場合もありますが、ケースバイケースなので代理人である弁護士などによく相談をしておくことで、慌てずに済みます。

株などの有価証券類も生活には必要がないものであるため、取り上げられるものです。生活に必要がない奢侈品なども含めて差し押さえられ換価に回ります。現金預金100万円程度までと生活に欠かせないと思われるもの、不動産に関しては財産価値がほとんどないもの及び自動車もそれがないと困る場合でしかも財産価値がほとんどない時には、失わずに済む場合があると理解をすることが大切です。不明な場合やあるいはこれが生活に必要なものであるかどうかなどは、申立人代理人となる弁護士などに尋ねておけばある程度は事前に分かります。このとき注意をしなければならないことなども含めてよく話を聞いておくことが大事です。なお破産が認められたときには破産者名簿に氏名が掲載され、特定の仕事に就くことが制限されるなどのペナルティがあるので注意が必要です。士業などの他にも警備業などで就労が出来ないなどのものがあります。

自己破産は最後の手段であり、これ以前に出来ることをまずは行うことが大事です。個人再生ではダメなのかあるいは任意整理で個別に対応をすることは出来ないかどうか、また自由財産で高額なものを換価することで借金を整理することが出来ないかどうかなどをよく考えていきます。代理人として依頼する専門家との話し合い及び連携が非常に重要であり、欠かせません。自己破産を選択する前に他の手段を考えることも重要です。その上で他の手段がないときに自己破産の申し立てを考えるようになります。